製造の流れ

製造工程(直営工場で水蒸気蒸留法で精油と芳香蒸留水を製造しています)

日南高原アロマ蒸溜所(日南高原フラワーセンター)

フラワーセンター
フラワーセンター

自然環境豊かな環境・鳥取、島根、岡山、広島の交わる通称「X(クロス)ポイント」といわれる県境で製造しています


工程1

工程1

森から材料を伐採します。国内の森から伐採された原料を用いています。

工程2

工程2

材料をチッパーへ入れ、適度な大きさのチップへと破砕します。(葉のようなものはそのまま)

工程3

工程3

水蒸気蒸留装置へ破砕したチップを仕込み、水蒸気を使ってアロマを抽出します。

工程4

工程4

水蒸気とともに抽出され、冷却・凝縮したアロマがガラス円筒の中に溜まります。アロマは水に溶解しない精油と水の中に芳香成分を取り込んだハーブウォーターの2つに大きく分けられます。精油とハーブウォーターは溶け合わず、その比重の差から上下に分離します。写真でガラス円筒の中ほどに見える薄黄色の液体が精油、その下にあるのがハーブウォーターです。

最終工程

最終工程

ガラス円筒から取り出した精油とハーブウォーターを分液漏斗を使用して分けとります。

ヒノキ

檜の木
檜の木

ひのきは私たちに最も身近な樹木のひとつです。よく知られているように、ヒノキ科ヒノキ属であるヒノキ(学名:Chamaecyparis obtusa)は日本特産で、福島県東南部以南の本州、四国、九州に分布します。

台湾本島にもヒノキが分布していますがこれは変種です。ヒノキはスギに次 いで造林面積が広く、スギとともに日本の代表的な木材です。

色の白さ、均質性、美しい光沢、特有な芳香、高い耐久性、長期の耐水湿などさまざまなすぐれた 性質をもち、高品質な材料として建築、建具、彫刻(仏像など)木型、曲物、桶、蓄電池のセパレータなどさまざまな用途に使用されます。

なかでも、建築材と してのヒノキは、「ヒノキ造り」が「最高」を表す形容詞として使われることからもわかるように、最高級材料のひとつです。古来より神社、仏閣などへ使用さ れており、最も有名な法隆寺のヒノキ造りは1300年を経た世界最古の木造建築です。

 

檜の森ひのきの森 鳥取県産ひのきを用いています


 

ひのきの木・葉を砕いて蒸留する

破砕木目が通り、斧や楔で打ち割ることによって製材できるヒノキは古くから建築材料として用いられてきました。

既に『古事記』のスサノオ神話の中で、ヒノキ を建材として使うことが示唆されています。特に寺院、神社の建築には必須で古くから利用されました。

そのありさまは、大阪府の池上・曽根遺跡で発掘された 弥生時代の神殿跡に見ることができます。飛鳥時代のヒノキ造りの建築はすぐれたものが多く、前述のとおり法隆寺は世界最古の木造建築物として今日までその 姿を保っているほか、主として奈良県内に存在する歴史的建築物はいずれもヒノキを建材としたことによって現存するといって過言ではありません。もっとも、 その有用性ゆえに奈良時代には大径材は不足をきたしていました。

精油精油(Essential oil)は樹木から得られる揮発性物質であり、森林のすがすがしい香りのもととなっている物質であります。最近、これらの人間に対するリラクゼーション効果や抗菌、抗ダニ効果などが知られてきつつあり、高い関心が集まってきています。また、精油は香料を始め芳香剤、入浴剤、消臭剤などとして利用されてきています。

スギ –殺ダニ効果と抗菌活性とリラックス効果–

スギスギ(杉、Cryptomeria japonica)は、ヒノキ科スギ亜科スギ属の常緑針葉樹。

スギの名の由来は、真直ぐの木「直木」から来ていると言われる。本居宣長は古事記伝神代七之巻にて、スギは傍らにはびこらず上へ進み上る木として「進木(ススギ)」が語源としており、「直木(スグキ)」は誤りであるとしている。木材は主に住宅の柱材として利用されるほか構造用合板としてや集成材としても利用される。

割裂性がよく、薪割りのように割ることによって、角材から板材までを作ることができる。従って、古来より重要な木材として重宝され、曲物などで使用されてきた。特有の芳香を有し、杉樽に貯蔵することによって日本酒に香りをつけたりすることもあるが、半面でその香りを嫌う用途、例えば飯櫃などには不向きである。スギには多くの地域品種があり、材質も品種、系統により異なる。杉精油は杉の育った風土、杉の種類や採取時期、採取方法によって違いがある。葉と樹皮はヒノキとともに檜皮葺(ひわだぶき)の屋根に利用し、葉は乾燥して線香に用いる。

スギは材部、葉部ともに多くのテルペン類を含み、得られた精油はスギ独特の爽やかな香りを有しており、生理活性として殺蟻活性や抗菌活性などがあることが知られている。

 

杉林鳥取県産スギを用いています。杉の木から葉部を取り、それを水蒸気蒸留しています


スギの立木とスギの葉

スギの葉
スギの葉

植物は害虫から身を守るために摂食阻害物質を蓄え、また、害虫の襲来を味方に知らせる情報伝達物質として香り物質を使う。植物の香り成分にはダニやゴキブリなどに対する殺虫・忌避の働きを持つものがあり、害虫に対する抵抗性発現にも香り物質は関わっている。

精油 82 種を試験に使用し、ヤケヒョウヒダニ(Dp)、コナヒョウヒダニ(Df)、及びケナガコナダニ(Tp)に対する殺ダニ効果を調べたところ、52 種に効果が見られたという報告がある。その中で、効果のあった精油の主香成分およびその類縁化合物 22 種について殺ダニ試験が行われている。この殺ダニ試験は密閉系での結果であり、開放性の高い家屋内での効力は未確認であるが非常に強い殺ダニ効果を持つ精油または主香成分(Almond Bitter Oil, Wintergreen Oil, Benzaldehyde, Cuminaldehyde, Methyl Salicylate, d-Carvone, l-Carvone)は比較的使用量が少なくて済むし、精油の匂い成分には呼吸毒と接触毒があると考えられるため、従来の殺虫剤と同様の剤型で使用しても殺ダニ効果があると思われる。

スギは材部、葉部ともに多くのテルペン類を含み、得られた精油はスギ独特の爽やかな香りを有しており、生理活性として殺蟻活性や抗菌活性などがあることが知られている。

スギ葉部精油の香気成分が副交感神経活動を高め気分がリラックスする、特に高揮発性モノテルペンの効果は顕著である。

くろもじ –月に導かれた神秘のアロマ–

くろもじくろもじ(学名:Lindera umbellata)は日本原産の落葉樹です。北海道以南の山野に原生します。

緑色がかった幹や枝に現れる黒い斑点が特徴です。日本国内に近縁種がいくつ か分布するほか、海外でも東南アジアや北アメリカに近縁種が分布しています。

香料が工業的に作られる以前、くろもじの枝葉を水蒸気蒸留して得たくろもじ精 油は貴重な天然香料でした。


くろもじ
くろもじ

くろもじは背の低い植物。満月の日に採取する。

化粧品や石鹸などに使用され、くろもじ精油を髪につける椿油に混ぜ香りづけに用いたりもしたそうです。化粧品以外にも、その上 品な香りと抗菌性などの効果から、和菓子に添える爪楊枝として「黒文字」が現在でも使われています。

原材料の枝葉の量に対して得られるくろもじ精油の量はきわめて少なく、そのため少しでも多くの精油を抽出するための工夫が古くからなされてきました。

そのひとつが原材料を採取する時期です。くろもじは5月~6月に、抽出される精油の量が最大となりますが、なかでも満月の日に採取したくろもじの枝葉からは 多くの精油が得られるといわれています。

その理由ははっきりとはわかりませんが、月齢に応じて変化する害虫の量と、木の中に蓄積される害虫に対する忌避物質(精油の成分と共通)の量とが関連していると考えられます。

ゆず –日本人の柑橘–

ゆずゆず(学名:Citrus junos)は日本人になじみの深い柑橘類の一つです。ミカン科の植物の中では耐寒性に優れています。原産地は中国の長江上流といわれていますが、消費・ 生産とも日本が最大です。また、現在ではヨーロッパでも人気が上昇しています。ユズの北限は温暖化に伴い北上し、近年では岩手県釜石市といわれています。 ゆずは独特の香気と酸味があり、芳香性の薬味や調味料によく用いられます。うどんの薬味、冬至の日のゆず湯、ゆず胡椒、ゆず茶、香料などがゆずの用途とし て挙げられます。

柚子の語源は中国語の「柚(yòu)」です。しかしながら、現代中国語ではこの言葉は「文旦」 を指してしまいます。現在は「香橙(xiāngchéng)」が柚子を指す言葉であり、なぜその語彙が変化したのかはわかりません。日本で「柚」が「柚 子」に なったのは、古来の食酢としての利用によるところが大きいといわれています。「柚酢」が「柚子」になったと言われていますが、確かなことは不明です。韓国 語でも漢字表記をする場合は「柚子(yuja)」と書きますが、その語源については正確な記録が一切ありません。

ゆずから精油を取り出す方法は大きく分けて圧搾法と水蒸気蒸留法の2つがあります。弊社では水蒸気蒸留法を採用しています。この際、蒸留中にゆずの成分 が劣化するのを防ぐため減圧により沸点を下げて蒸留しています。水蒸気蒸留法を採用することで、精油だけでなくハーブウォーターを採取することができ、ゆ ずの恵みを余すところなくアロマとして利用できます。

柚子の実ゆず果実

ゆずの実(果皮を蒸留します)

島根県産ゆずを用います

レモン –勉強や仕事のおともに–

レモンれもん(学名:Citrus limon)はインド北部(ヒマラヤ)原産の柑橘類です。食用はアメリカのカリフォルニア産やフロリダ産、精油用はイタリアのシシリー産が有名です。国内 では広島、愛媛など瀬戸内の地域を中心に生産されています。精油の香りにはリフレッシュの効果があり、頭脳を明晰に保ち、疲労感を防ぐ効果があるといわれ ています。勉強や計算、事務作業など集中力を必要とする場面で活用できます。

れもんの用途は幅広く、食材として果実はジュースやレモネード、レモンスカッシュなどの清涼飲料水に加工したり、味に強みを持たせる目的で調理や製菓に 利用されます。また、果実のまま料理に添えて、食べる際に果汁を絞り、豚カツなどの揚げ物や生ガキにかけたりされます。果皮はレモンピールやリモンチェッ ロ(レモンの果皮を使ったリキュール)に利用されます。

lemon1レモン果実

レモンの果皮を蒸留します。

レモン皮むき皮むき